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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【第403回】 食品流通の新形態「前置倉庫」とは??
中国でスーパーの「店舗」はもう不要??
2020年1月22日
前置倉庫型ネットスーパーの代表格「叮咚(ディンドン)買菜」
前置倉庫型ネットスーパーの代表格「叮咚(ディンドン)買菜」
 「前置倉庫」とは何かご存知でしょうか?スラスラと答えられるようなら、仮に中国小売流通検定なるものがあれば、「上級」に分類されるでしょう。

 一方で、上海在住の方なら「叮咚買菜」を知っている人は多いのではないでしょうか。まさにこの叮咚(ディンドン)が前置倉庫型ネットスーパーの代表格なのです。

 昨年の叮咚人気とともに、中国の小売流通業界やメディアで何度も取り上げられている前置倉庫。大体200~300平米の小規模で簡易な生鮮品倉庫で、なるべく消費者の“近く(前)に置いた”倉庫という意味合いでしょうか。マンションや雑居ビルの1階に入居し、必ずしも道路に面しているわけではありません。

 単なる倉庫なのでひっそりとした佇まいながら、入り口の前には企業カラーの緑色で統一されたバイクと配達員が待機しています。倉庫の中から複数のビニール袋を抱えてバイクに乗り込み、配達へと出発する姿から、多くの注文が殺到している様子が伺い知れます。

 店舗ではないので、内装費も不要。立地も空いている人気のない物件でOK。前置倉庫の設置は、叮咚の場合、居住エリア1km内を商圏とし、1日の受注件数が1,500件を超えたら倉庫を2つに分けることで、スピーディな配送を実現しているとのこと。

 叮咚だけでなく、ネット出前の「美団買菜」、家電量販の「蘇寧小店」、総合スーパーの「永輝生活」などもこの分野に参入。ネットスーパーの本家である「盒馬鮮生」とともに、熾烈な競争が繰り広げられています。

 既存のスーパーやコンビニ、薬局ですら、京東到家や餓了幺など宅配プラットフォームと提携してデリバリー対応するのが当たり前の時代。消費者もわざわざ店舗に出向き、重い荷物を抱えて持ち帰っていた記憶は、すでに遠く彼方に消え去っています。

 こうした状況の中、日本の食品や日用品メーカーはどうやって中国で売上を伸ばしていくか。これまでの問屋任せや実店舗での販売ありきのやり方では、今後先細りであることは明らかでしょう。

 日本ではまだネットスーパーが成功しているといえる企業はごくわずかだそうです。日本では想像できない消費形態が、もはや当たり前になっている上海。ぜひ日本の本社からも一度その実態を目の当たりにして、改めて中国戦略を練りなおしてほしいと思います。
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