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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【第66回】 中国ビジネスのピンチとチャンス
鳥インフルでネット販売に商機も
2013年4月10日
  黒田日銀による大胆な金融緩和策を背景に、日本では円安株高が一段と進み、本格的な景気回復への期待が具現化しつつあるようで、世界中の投資家やビジネスマンから日本の一挙手一投足が脚光を浴びているような気がします。私も上海で日経新聞の電子版を愛読しているのですが、最近は毎日どんなニュースが出てくるのかワクワクしながら楽しみにしています。

 一方、中国では一転して暗いニュースが続き、周りでもあまり景気のいい話は聞こえてきません。昨年9月の反日騒動後、10月と11月は日中ビジネスは完全にストップし、12月に前向きな話が出始め、年が明けて1月から本格的に回復したかのイメージがあったのですが、北京を中心とするPM2.5の大気汚染で出鼻をくじかれ、その後、春節を迎えた2月も何となく停滞したままでした。

 春節期間もひと段落し、3月に入ってから少しは流れが活発になるかと思いきや、今度は全人代(第12期全国人民代表大会)が開かれ、習近平新政権が誕生しましたが日中関係はお互いに牽制し合う状態が続きまたストップし、いよいよ4月で日本でも新年度なので、と期待したところに、H7N9型の鳥インフルエンザウイルスのニュースです。

 直近のニュースでは上海周辺で感染者数は24人でうち7人が死亡しているとのことで、潜在的な患者の数や今後の拡散の可能性を考えると、生活者にとっては脅威を感じます。まだ人から人への感染が見つかっていないのが唯一の救いですが、2003年に中国を中心にアジア全域で猛威をふるったSARS(重症急性呼吸器症候群)の二の舞にならないことだけを祈りながら日々過ごしています。

 2003年当時、私は台湾台北市にいたのですが、テレビで感染者や死者のニュースが飛び交うたびに不安な日々を送っていました。なぜか感染者に日本人や韓国人がいなかったことから味噌やキムチなど発酵食品が効くという都市伝説的な噂が出回り、スーパーで品切れになったり、外の新鮮な空気を吸うべきとのことでゴルフを始める人が急増したなど、いま振り返ればほほえましいエピソードもありました。

 ただ、ビジネス的トピックスとしては、感染を恐れた台湾人は百貨店や繁華街などの人ごみを避けるため、家で気軽に買い物ができるネットショッピングをする行動に出始めたということがありました。SARS発症を境に台湾ではネット通販が急速に普及したのですが、中国でも同様に、もし仮に今回のH7N9型鳥インフルエンザウイルスが蔓延するとしたら、すでに急拡大している中国ネット通販市場がさらに拡大スピードを増すかもしれません。

 実際に昨年9月の反日騒動後、日本商品の不買運動が広がり、多くの日本企業が多大なダメージを受けましたが、日系のカメラや一部家電などは、お店で買うには周りの冷たい視線を気にした愛好家がネットショップに走り、逆にネット販売が伸びたという声も聞いています。

 特に今回の鳥インフルエンザウイルスで、食品に対する衛生管理などがよりクローズアップされるのは目に見えており、少々値段が割高でも、より安全で安心できる食品を求める声が高まるのではないでしょうか。反日を機に、中国市場への意気込みが冷え込んでいる感がありますが、日本企業にとって中国はまだビジネスの可能性が多く秘められている市場であることを再認識していただきたいと思います。
 
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